大津のつぶやき

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「秋葉清水」での3年間を振り返って

2025年シーズンが終わった。
順位表を見て「終わったな」と思うより、
週末にエスパルスの試合がないことに、じわっと実感がくる。

そして、秋葉監督の退任。
3年間。
このクラブにとって、間違いなくひとつの区切りだと思う。

まず、これははっきり言っておきたい。
秋葉監督は、結果を残した監督だった。

1年目は未勝利の状態から昇格まであと一歩のところまでチームを立て直し、
2年目はしっかりと優勝と昇格をはたし、
3年目はJ1でしっかりと戦えることを証明してくれた

理想や目標と比べれば物足りない部分もある。
内容にいらいらした試合もある。
それでも、クラブが一番やってはいけない「落ちる」という状況を避けた。

これは簡単なことじゃない。

秋葉監督というと、
感情的、熱血、超攻撃的、
そんなイメージが先に来る。

でも実際は、かなり現実を見ていたリアリストだったと思う。

勝ちにいく試合と、勝点を落とさない試合。
見ててはっきりと意思が伝わってきた。

リーグ戦という長い戦いの中で、
そのバランスを強く意識していた。

派手な言葉の裏に、
冷静なマネージメントがあった。

そして、
秋葉エスパルスを語るうえで外せないのが
one family という言葉。

この言葉は、ただのスローガンじゃなかった。

勝っているときだけじゃなく、苦しいとき、うまくいかないとき、
それでも同じ方向を向き続けるための合言葉だった。

選手、スタッフ、サポーター。
全部まとめて「one family」。

チームが崩れそうな場面でも、
空気がバラバラにならなかったのは、
この言葉がちゃんと根付いていたからだと思う。

この三位一体となるマネージメントは本当にすごいと思う。

戦術の話をすると、
秋葉監督はよく「戦術に縛られない」と言われる。

でも見ていて思ったのは、
戦術を捨てたのではなく、
選手が迷わない基準を与えたということ。

やるべきことがシンプルだから、
判断が速くなる。
だから、戦えているように見える。

良くも悪くも、ハマると強い。ハマらないと苦しい。

この振れ幅は、
最後まで秋葉エスパルスの特徴だった。

それでも、チームがピッチに立ったとき、どこかで感じるものがあった。

走る。向かう。最後まで諦めない。

ああ、これはThis is s-pulse だな、と。

理屈じゃなく、感情としてそう思わせるホーム町田戦に代表される試合がたくさんあった。

もちろん、
「もう一段上に行けたんじゃないか」
「同じやられ方が多くなかったか」
そんな思いも残る。

でも、昇格して、J1に残して、
次につなぐ場所まで運んだ3年間。

これは確実に、
クラブを前に進めた時間だった。

秋葉監督が去ったあと、
この3年間がどう評価されるかは、
これからのエスパルス次第だと思う。

まずは、
3年間ありがとうございました。

またどこかで指揮を執る姿を見たら、
きっと気になってしまう。

それが、秋葉監督だった。

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大津 多聞のアバター 大津 多聞 大津進学教室塾長

清水の子供たちの学び舎のような塾になるようみっちり指導します。
経歴…清水岡小学校→静岡聖光学院→静岡県立大学薬学部→アナンインターナショナルにてさかなクンのマネージャー業務を経験。

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